㉛【宅建業法】過去問・解説 宅建業者名簿の登載事項・変更の届出を2問で攻略!(令和5年問32・平成21年問28)


こんにちは。元外構工事の職人から、令和7年に宅建試験を一発合格した管理人です。今日のテーマは「宅建業者名簿」と「変更の届出」。一見地味なテーマですが、毎年のように出題される頻出ジャンルです。しかも「名簿に載っている事項」と「変更があったら届出が必要な事項」が完全には一致しないという、宅建試験らしい”ひっかけ”が潜んでいます。過去問2問を通して、しっかり整理していきましょう。

【問題1】令和5年問32

宅地建物取引業者が行う届出に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者A(甲県知事免許)が、新たに宅地建物取引業を営む支店を甲県内に設置した場合、Aはその日から30日以内にその旨を甲県知事に届け出なければならない。
  2. 宅地建物取引業者B(乙県知事免許)が、宅地建物取引業者ではないCとの合併により消滅した場合、Bを代表する役員であった者は、その日から30日以内にその旨を乙県知事に届け出なければならない。
  3. 宅地建物取引業者D(丙県知事免許)が、本店における専任の宅地建物取引士Eの退職に伴い、新たに専任の宅地建物取引士Fを本店に置いた場合、Dはその日から30日以内にその旨を丙県知事に届け出なければならない。
  4. 宅地建物取引業者G(丁県知事免許)が、その業務に関し展示会を丁県内で実施する場合、展示会を実施する場所において売買契約の締結(予約を含む。)又は売買契約の申込みの受付を行うときは、Gは展示会での業務を開始する日の5日前までに展示会を実施する場所について丁県知事に届け出なければならない。

解説

肢1(正しい) 「事務所の名称・所在地」は宅建業者名簿の登載事項です。支店を新設することはこの変更にあたるため、変更の届出が必要です。届出期間は30日以内。

肢2(正しい) 法人が合併によって消滅した場合、消滅した法人を代表していた役員であった者が、30日以内にその旨を免許権者に届け出なければなりません。これは「変更の届出」ではなく「廃業等の届出」というカテゴリーですが、期間は同じ30日以内です。

肢3(正しい) 専任の宅地建物取引士が退職・新任となった場合も、変更の届出が必要です。届出期間は30日以内。

肢4(誤り) 展示会のように契約締結や申込みの受付を行う催しの場所は「案内所等」に該当し、事前の届出(業務開始の10日前まで)が必要です。本肢は「5日前まで」としている点が誤りです。

正解:4


【問題2】平成21年問28

次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 法人である宅地建物取引業者A(甲県知事免許)は、役員の住所について変更があった場合、その日から30日以内に、その旨を甲県知事に届け出なければならない。
  2. 法人である宅地建物取引業者B(乙県知事免許)が合併により消滅した場合、Bを代表する役員であった者は、その日から30日以内に、その旨を乙県知事に届け出なければならない。
  3. 宅地建物取引業者C(国土交通大臣免許)は、法第50条第2項の規定により法第31条の3第1項で定める場所について免許を受けた国土交通大臣に届出をする場合、当該場所の所在地を管轄する都道府県知事を経由して届出書を提出しなければならない。
  4. 宅地建物取引業者D(丙県知事免許)は、建設業の許可を受けて新たに建設業を営むこととなった場合、Dは当該許可を受けた日から30日以内に、その旨を丙県知事に届け出なければならない。

解説

肢1(誤り) 宅建業者名簿の登載事項に「役員の氏名」は含まれますが、「役員の住所」は含まれていません。登載されていない事項は、変更があっても届出は不要です。

肢2(正しい) 問題1の肢2と同じ論点です。法人が合併で消滅した場合、消滅会社の代表役員であった者が30日以内に免許権者へ届け出る必要があります。

肢3(誤り) 案内所等の届出は、案内所等の所在地を管轄する都道府県知事と、免許権者(このケースでは国土交通大臣)の両方に、それぞれ「直接」届け出ます。「都道府県知事を経由して国土交通大臣に」という部分が誤りです。

肢4(誤り) 「宅建業以外の事業を営んでいるときは、その事業の種類」は名簿の登載事項ではありますが、これに変更があっても届出は不要です(施行規則第5条第2号)。

正解:2


覚えておきたいポイント

事項名簿の登載事項変更の届出が必要
免許証番号・免許の年月日
商号・名称
役員・政令で定める使用人の氏名
役員等の「住所」××
事務所の名称・所在地
専任の宅建士の氏名×
兼業(他事業)の種類×
監督処分の年月日・内容×

ポイントは「届出期間はすべて30日以内」「届出先は免許権者(知事免許ならその知事、大臣免許なら国土交通大臣)」という2点です。

よくある勘違い

一番のひっかけは「専任の宅地建物取引士の氏名」です。これは名簿には載らない(一般の閲覧に個人情報を出さないための措置)にもかかわらず、変更があれば30日以内の届出は必要という、登載事項と届出対象がズレているケースです。逆に「兼業事業の種類」は名簿には載っているのに、変更届出は不要という、もう一つのズレもセットで覚えておきましょう。「載っている=届出必要」という思い込みは危険です。

また、案内所等の届出(法50条2項)は、国土交通大臣免許の業者であっても、都道府県知事を経由せず、案内所等所在地の知事と免許権者の両方に直接届け出る点も頻出の誤りパターンです。

法改正に関するひと言

宅建業者名簿に関する変更の届出について、大臣免許業者が行う場合の手続きが整理され、主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事を経由しないで国土交通大臣に直接届け出る運用となっています。古い年度の過去問を解くときは、この点だけは現行のルールに置き換えて理解しておきましょう。

まとめ

宅建業者名簿は「誰が・いつまでに・何を」届け出るかという細かいルールの集合体です。今回の2問のように「名簿の登載事項かどうか」と「変更届出が必要かどうか」を別の軸として整理すると、ひっかけ問題にも対応できます。30日以内というキーワードと、届出先(免許権者)をセットで頭に入れておきましょう。

宅建業者名簿の基礎については②【宅建業法】免許制度をわかりやすく解説、宅建士個人の登録については③【宅建業法】宅建士の登録と証明書をわかりやすく解説、案内所等の届出についてはの記事もあわせてご覧ください。

Q1. 宅建業者名簿の登載事項と、変更の届出が必要な事項は同じですか?
いいえ、完全には一致しません。専任の宅地建物取引士の氏名は名簿には載りませんが届出は必要、逆に兼業事業の種類は名簿に載りますが届出は不要、というズレがあります。

Q2. 専任の宅地建物取引士が交代した場合、いつまでに届け出ますか?
交代した日から30日以内に、免許権者(知事免許ならその知事、大臣免許なら国土交通大臣)へ届け出ます。

Q3. 役員の住所が変わった場合も届出が必要ですか?
不要です。役員の「氏名」は届出対象ですが、「住所」は登載事項に含まれないため、変更があっても届出義務はありません。

Q4. 法人が合併で消滅した場合、誰が届け出るのですか?
消滅した法人を代表していた役員であった者が、合併の日から30日以内に免許権者へ届け出ます。

Q5. 国土交通大臣免許の業者は、変更の届出をどこに出せばいいですか?
都道府県知事を経由せず、国土交通大臣に直接届け出ます。

次回㉜は「媒介契約の規制(指定流通機構への登録・業務処理状況の報告義務)」を予定しています。一緒に学んでいきましょう!


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