㊴【宅建業法】過去問・解説 宅建士への監督処分(指示処分・事務禁止処分・登録消除処分)と登録の移転を2問で攻略!(令和4年問33・令和3年10月問35)

こんにちは。外構工事の現場で汗を流しながら宅建の勉強をしていた頃、この分野の問題を見るたびに「指示処分・事務禁止処分・登録消除処分…結局どれが一番重いんだっけ?」と手が止まっていました。今回はそんな混同ポイントを整理しつつ、登録の移転がらみの過去問2問を一緒に解いていきましょう。

問題①(令和4年問33)

宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはいくつあるか。

  1. 宅地建物取引士資格試験は未成年者でも受験することができるが、宅地建物取引士の登録は成年に達するまでいかなる場合にも受けることができない。
  2. 甲県知事登録の宅地建物取引士が、宅地建物取引業者(乙県知事免許)の専任の宅地建物取引士に就任するためには、宅地建物取引士の登録を乙県に移転しなければならない。
  3. 丙県知事登録の宅地建物取引士が、事務の禁止の処分を受けた場合、丁県に所在する宅地建物取引業者の事務所の業務に従事しようとするときでも、その禁止の期間が満了するまで、宅地建物取引士の登録の移転を丁県知事に申請することができない。
  4. 戊県知事登録の宅地建物取引士が、己県へ登録の移転の申請とともに宅地建物取引士証の交付を申請した場合、己県知事が宅地建物取引士証を交付するときは、戊県で交付された宅地建物取引士証の有効期間が経過するまでの期間を有効期間とする宅地建物取引士証を交付しなければならない。
(選択肢:1. 一つ 2. 二つ 3. 三つ 4. 四つ)

正しいものはいくつあるか、選んでください

解説

  • 1.誤り。 登録の欠格事由となるのは「宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者」です。法定代理人の同意を得て成年者と同一の行為能力を持つ未成年者であれば、成年に達していなくても登録を受けられます。
  • 2.誤り。 登録の移転は義務ではなく、任意の制度です。「専任の宅建士=勤務先事務所と同じ都道府県の登録が必須」という縛りはありません。
  • 3.正しい。 事務禁止処分を受けている期間中は、登録の移転自体ができません。禁止期間が満了するまで待つ必要があります。
  • 4.正しい。 登録移転とあわせて宅建士証の交付を申請した場合、新しい宅建士証の有効期間は「移転前の宅建士証の残り期間」を引き継ぎます。5年に振り出しにはなりません。

したがって正しいものは**「二つ」(3と4)**です。

問題②(令和3年10月問35)

宅地建物取引士の登録(以下「登録」という)及び宅地建物取引士証に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。

  1. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が事務禁止処分を受けた場合、宅地建物取引士証を甲県知事に速やかに提出しなければならず、速やかに提出しなかったときは10万円以下の過料に処せられることがある。
  2. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が宅地建物取引士としての事務禁止処分を受け、その禁止の期間中に本人の申請により登録が消除された場合は、その者が乙県で宅地建物取引士資格試験に合格したとしても、当該期間が満了していないときは、乙県知事の登録を受けることができない。
  3. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が甲県から乙県に住所を変更したときは、乙県知事に対し、登録の移転の申請をすることができる。
  4. 宅地建物取引士(甲県知事登録)が本籍を変更した場合、遅滞なく、甲県知事に変更の登録を申請しなければならない。

正しいものはいくつあるか、選んでください

解説

  • 1.正しい。 事務禁止処分を受けた宅建士は、速やかに宅建士証を交付を受けた知事に提出する義務があります。違反すると10万円以下の過料です。
  • 2.正しい。 事務禁止処分の期間中に本人の申請で登録が消除されても、その期間が満了するまでは、たとえ他県で新たに試験に合格していても新規登録は受けられません(欠格事由)。
  • 3.誤り。 登録の移転は「別の都道府県の事務所の業務に従事する(従事しようとする)」ことが要件です。単なる住所変更だけでは申請できません。
  • 4.正しい。 本籍は登録簿の記載事項なので、変更があれば遅滞なく変更の登録が必要です。

したがって正しいものは**「三つ」(1・2・4)**です。

覚えるポイント:宅建士への監督処分3兄弟

処分重さ内容処分権者
指示処分是正を命じる警告的な処分登録知事/行為地の知事
事務禁止処分最長1年、事務の全部・一部を禁止登録知事/行為地の知事
登録消除処分宅建士資格そのものを失う(原則5年間再登録不可)登録知事のみ

処分が重くなるほど「本人にできること」が減っていくとイメージすると整理しやすいです。事務禁止処分を受けると宅建士証を速やかに提出する義務が生じ、その期間中は登録の移転もできなくなります。

登録の移転のキホン図解

甲県登録の宅建士 ─(乙県の業者事務所に従事/従事しようとする)→ 乙県知事へ登録移転を申請
※甲県知事を経由
※単なる住所変更だけでは不可
※事務禁止処分の期間中は不可

よくある勘違い

  • 「住所が変わった=登録移転できる」ではありません。勤務先の事務所の所在都道府県が変わる場合に限られます。
  • 登録の移転は義務ではなく任意です。「しなければならない」と書かれていたら誤りの可能性大。
  • 事務禁止処分中に登録が消除されても、期間満了までは再登録不可という欠格事由を見落としがちです。
  • 登録移転後の宅建士証の有効期間は、新規に5年になるのではなく前の証の残り期間を引き継ぐ点に注意。

まとめ

宅建士に対する監督処分は「指示→事務禁止→登録消除」の順に重くなること、そして登録の移転は「勤務先事務所の都道府県が変わるときの任意手続き」であり、事務禁止処分中はできないことがポイントでした。この2つを混同せず整理できれば、この分野の得点はかなり安定します。

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次回予告

次回㊵では、宅建業者間取引における規制の適用除外(8種制限などが「業者同士」の取引では外れるルール)を過去問2問で見ていきます。

一緒に学んでいきましょう!


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