㊶【宅建業法】過去問・解説 案内所等の届出・標識・専任宅建士の設置義務を2問で攻略!(令和6年問39・令和3年12月問41)

こんにちは。外構工事の現場でも「仮設事務所」を設置する時は色々と届出が必要でしたが、宅建業でも「案内所」を出すときには細かいルールがあります。㊶では、案内所・展示会場に関する届出・標識・専任宅建士の設置義務を過去問2問で整理していきましょう。

問題①(令和6年問39)

宅地建物取引業法第50条第2項の届出をすべき場所に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。なお、これらの場所では、宅地若しくは建物の売買若しくは交換の契約(予約を含む。)若しくは宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介の契約を締結し、又はこれらの契約の申込みを受けるものとする。

  1. 届出をすべき場所として、継続的に業務を行うことができる施設を有する場合で事務所以外のものが定められているが、当該場所には1名以上の成年者である専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
  2. 届出をすべき場所として、宅地建物取引業者が10区画以上の一団の宅地又は10戸以上の一団の建物の分譲(以下この問において「一団の宅地建物の分譲」という。)をする場合に設置する案内所が定められているが、当該案内所が土地に定着する建物内に設けられる場合、クーリング・オフ制度の適用が除外される。
  3. 届出をすべき場所として、他の宅地建物取引業者が行う一団の宅地建物の分譲の代理又は媒介をする場合に設置する案内所が定められており、この場合は、代理又は媒介を行う宅地建物取引業者が届出をするが、売主業者自身も当該案内所で売買契約の申込みを受ける場合は、売主業者も届出をする。
  4. 届出をすべき場所として、宅地建物取引業者が業務に関し展示会その他これに類する催しを実施する場所が定められているが、その催しを開始する10日前までに、実施場所を管轄する都道府県知事に届け出なければならず、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事に届け出る必要はない。

誤っているものを選んでください

解説

  • 1.正しい。 継続的に業務を行うことができる施設(事務所以外)は届出対象で、1名以上の専任宅建士の設置が必要です。
  • 2.正しい。 一団の宅地建物の分譲を行う案内所は、土地に定着する建物内に設けられる場合に限り、クーリング・オフの適用が除外されます。テント張りなど簡易的な案内所には適用があります。
  • 3.正しい。 代理・媒介を行う業者だけでなく、売主業者自身もその案内所で申込みを受けるなら、売主業者も届出が必要です。
  • 4.誤り。 展示会の届出は、実施場所を管轄する知事だけでなく、免許を受けた国土交通大臣又は都道府県知事(=免許権者)にも必要です。「知事だけでよい」は誤りです。

正解は4です。

問題②(令和3年12月問41)

宅地建物取引士に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはどれか。

  1. 宅地建物取引業者Aは、一団の宅地建物の分譲をするため設置した案内所には、契約を締結することなく、かつ、契約の申込みを受けることがないときでも、1名以上の専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
  2. 宅地建物取引業者Bは、その主たる事務所に従事する唯一の専任の宅地建物取引士が退職したときは、2週間以内に、宅地建物取引業法第31条の3第1項の規定に適合させるため必要な措置を執らなければならない。
  3. 宅地建物取引業者Cが、20戸の一団の分譲建物の売買契約の申込みのみを受ける案内所甲を設置した場合、売買契約の締結は事務所乙で行うとしても、甲にも専任の宅地建物取引士を置かなければならない。
  4. 法人である宅地建物取引業者D社の従業者であり、宅地建物取引業に係る営業に関し成年者と同一の行為能力を有する18歳未満の宅地建物取引士Eは、D社の役員であるときを除き、D社の専任の宅地建物取引士となることができない。

誤っているものを選んでください

解説

  • 1.誤り。 専任宅建士の設置が必要なのは「契約行為等(契約締結または申込みの受付)」を行う場所だけです。契約も申込みもしない案内所には設置不要です。
  • 2.正しい。 唯一の専任宅建士が不足した場合、2週間以内に必要な措置(新規採用・異動など)を執らなければなりません。
  • 3.正しい。 「申込みのみ受ける」場合も契約行為等に該当するため、その案内所には専任宅建士が必要です。契約締結が別の事務所であっても関係ありません。
  • 4.正しい。 未成年者が宅建士登録を受けられても、原則として専任宅建士にはなれません。例外は業者自身または法人の役員である場合です。

正解は1です。

覚えるポイント:場所ごとの規制早見表

場所の種類専任宅建士の設置案内所等の届出標識の掲示
事務所◯(業務従事者5人に1人以上)変更の届出
契約行為等を行う案内所等◯(1人以上)
契約行為等を行わない案内所等・物件所在地××

「契約行為等」とは、契約の締結、または契約の申込みを受けることを指します。「申込みだけ」「締結だけ」のどちらか一方でも該当すれば、専任宅建士の設置・届出義務が発生する点がポイントです。

判断フローの図解

その場所で「契約締結」または「申込みの受付」をするか?
 ├ しない → 標識のみ必要(専任宅建士・届出は不要)
 └ する
   └ 専任宅建士(1人以上)を設置し、業務開始10日前までに
     免許権者+所在地の知事の両方に届出

よくある勘違い

  • 「案内所では標識だけ掲げればいい」は場所によります。契約行為等を行う案内所は届出+専任宅建士も必要です。
  • 「展示会は現地の知事にだけ届ければいい」は誤りです。免許権者にも届出が必要です。
  • 「代理業者が届出すれば売主業者は不要」とは限りません。売主業者自身がその場所で申込みを受けるなら、売主業者も届出義務を負います。
  • 「案内所の届出=専任宅建士の設置」は必ずしもイコールではなく、両方とも「契約行為等の有無」で個別に判定します。

まとめ

案内所等のルールは「契約行為等を行うかどうか」で規制の重さが変わるのが最大のポイントです。届出は免許権者と所在地の知事の両方へ、専任宅建士は契約行為等がある場所にのみ、標識はどんな場所にも掲示、という3点を整理して覚えておきましょう。

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